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滔々と水を湛える別寒辺牛湿原 ~後編~

11月4日(月)。文化の日の振替休日。

AM7時にホテルを出発。塘路ネイチャーセンター裏のカラマツ林は紅葉真っ盛り。カラマツの紅葉は大好きな光景の一つ。
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今日はイトウ一本狙い。そのポイントは厚岸の別寒辺牛湿原。厚岸と言えば大振りの牡蠣で有名。厚岸に位置する浜中にはムツゴロウさんの動物王国もある。
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塘路から約1時間。厚岸の港を通過し、ポイントに到着。川沿いに地図があり、M氏が解説してくれた。
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出航前に水温チェック。随分と低い水温に思えるが、これこそがイトウが生息できる理由。もっと水温が低くなる程に、イトウは更に元気になる。夏の間は湿原の中の低水温の湧水エリアに避暑に移動する、と言われる。逆に、夏でも低水温の湧水が湿原内にあるからこそ、イトウが生息できる。イトウと湿原は1セット・・・ということになるらしい。
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さて、いざ出航。Teddyさん操舵で、M氏とJ嬢が先陣を切る。その後を、Masaさん率いる我々のボート(Hさんと私)が続く。
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途中で、Yasuさん率いるSさんとIさんの船に追い抜かれた。湿原の中を進むボートが、本当に画になる瞬間・・・
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JR花咲線の線路が見えてきた。
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その線路を潜る。こんなことはドリフトボートやカヌーじゃないとできない芸当。
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そして、滔々と水を湛える別寒辺牛湿原の中に到着。無風で水面は鏡のよう・・・。この静かな水の中に1mオーバーのイトウが潜んでいる、という。
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野鳥が飛んでいく。水面にも同じ数の野鳥が写る。風もなく、鳥の羽ばたく音がかすかに聞こえる。湿原の湧水が川に流れ込むせせらぎの音も聞こえる。しかし、これと言った流れ込みが全く見えないのが不思議・・・
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水温は少し上がり、6.4℃。陽が射すと、ポカポカと暖かい。
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Yasuさんのボートが近づいてきた。『どんな感じです?』、と私が問いかけると、Sさんがポツリ、『予定通り・・・反応ありません』。これがイトウ釣りか・・・、まさに忍耐に釣り。
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いよいよ釣れる気が全くしない。竿を置いてHさんに持参頂いた缶コーヒーで一服したり、おしゃべりしたり・・・、それでも気を取り直して竿を振るのだが、無反応であるばかりか、針にかかるのは藻ばかり。1キャスト1ウィード・・・。

静寂を破ったのは、YasuさんのボートのSさんだった。遥か先にボートが居たにもかかわらず、Sさんの歓声が聞こえて来た。それから約10分後に再び、無事にネットインできた証の歓声。

その直後、M氏から電話が入る。なんとほぼ同時にM氏もイトウを釣り上げたとのこと。『J嬢のルアーを巨大なイトウが追った。顔が俺の顔くらいの大きさだった!! イトウの食い気が増してきたようだから、本気出して釣るように。頑張れよ!!』、との指令。

しかし・・・、気まぐれなイトウの食い気は一瞬だったのか、元の静寂の世界がやってきた。途中、晴天の中でどうやったらこんなピンスポットに雨を降らすことができるのか・・・と言いたいくらい、我々のボートの周りだけ強めの雨が降る。こんなところでも、『雨乞い師』パワー炸裂か・・・??
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雨が止んでしばらく経った頃、突然、Hさんの竿に反応が。Hさん曰く、『あまり大きくないみたい・・・』、とポツリ。しかし、その割には魚が水中にどんどん潜っていき、ヒキがどんどん強くなる・・・。『ボート際で更に引きますから気を付けて!』、とMasaさんのアドバイス。それなりに硬い竿なのに、この曲りよう・・・、恐るべしパワー。
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そして、ようやくネットイン!!  思わず無意識にこちらに手を掲げるHさん!! 自分のことのように私も嬉しい。最大限の称賛で称える!!
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Masaさんがちゃんと手を水で濡らしてから魚を掴み、口にクリップを挟んでHさんに手渡す。52cmの見事なイトウ。Hさん、本当におめでとうございます!!
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今年も間近でイトウを拝むことができて、本当に嬉しい。中型のイトウが居るということは、この湿原には産卵床をはじめ生育できる環境が整っているという証。この湿原のイトウに発信機を装着して活動範囲を調べている大学の先生がいらっしゃるとのこと。その先生の報告によれば、この湿原の外には出なかったという記録があるらしい。
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『元気で大きく育てよ・・・』。そう掛け声をかけて、優しくリリース。元気良く泳ぎ去っていった。元気が良すぎて、Masaさんの手からクリップが離れ・・・・水中に消えていくという大ハプニング・・・。
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さて、納竿のタイミングが近寄り、しかも、満潮に影響され水位が上がるらしい。もう時間ぎりぎり、ということで納竿して、大急ぎでボートを漕ぐドリフトボート三人衆。ボートを引き上げるポイント手前の橋。もう完全にぎりぎり・・・。椅子を下げて、皆で身体を丸めて、何とか橋の下を通り過ぎることができて、一同で安堵。
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さて、他の二隻での素敵な写真を二枚、ご紹介したい。まずは満面の笑みのM氏。55cmのイトウ。二年連続で見事にイトウをゲット!!
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そして、何と82cmのイトウを釣あげたSさん。これは凄い・・・まさに絶句。間近で見てみたかった・・・
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ドリフトボート三人衆ご自身が釣りをする場合を除き、一日にイトウが3本も上がるなんてことは、ほとんどないらしい。しかも、食い気が起きたのは、ほんのわずかな時間帯だった。何とも神秘的。釣り人のやる気と魚の食い気がマッチしないと、絶対にお目にかかれない魚・・・

帰路のドライブは皆爆睡。助手席に座った私はTeddyさんと楽しいおしゃべり。上記に記載した内容は全てTeddyさんから教わったこと。ニュージーランドでの釣りや、ファールドリーダーの話題でも盛り上がった。

程なくして塘路ネイチャーセンターに戻り、最後に皆で記念撮影。
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そして、イトウを釣あげた3人と、その3人それぞれのガイドさんのペアで、M氏のアイデアで、『ITO』、のポーズで記念撮影。
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滔々と水を湛える別寒辺牛湿原。釧路川とは全く趣の異なる大自然だった。素敵な場所で夢のような二日間、あっという間に過ぎてしまった。それだけ楽しかった、ということに他ならない。次回はいつになるかわからないが、また来ることができれば・・・と心底思う。このスケールの大きな自然にまた会いに来たいと思う。

ありがとう! 別寒辺牛湿原!

‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

帰り際、塘路NC裏のカラマツ林をほんの少しだけ散歩することができた。今年唯一の、『キノコ観察』、のための散歩になった。追って、独立した別の記事にまとめたいと思う。





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Comment
なんというか・・・・

壮大,雄大,広大・・・・

どんな言葉で言い表せるんでしょうか?

でも,イトウが住める世界が

減ってきているようですね。


こんばんは!
凄いですね!!
野生のイトウなんて!!!
生息域が減っていると聞きますが、管釣りにもいるくらいですから増やして欲しいですね^^

少年の頃、釣りキチ三平を読んで憧れましたが、僕は未だ北海道での釣りを実現してません。
雪山で滑ったり、海の幸で飲んだくれてはいますが、いつかは…^^;
リョウさん、こんばんは。
まさに、壮大・雄大・広大・・・でした。そして、3尾も出てくれたイトウは寛大だったのかも・・・ ^^;;
イトウが住む領域は減って来ていると思います。個人的には、そんな魚を釣って良いのか・・・という疑問もあるにはあるのですが、こういう貴重な魚に出会えることがきっかけで、逆に、もっと色々と学んだり知ったりでき、もっと大事にしよう・・・という気持ちになれるような気もするんですよね・・・
しげさん、こんばんは。
北海道って禁漁期間が無いんですよね。しかも、人気の西別川とかは、今がドライの最盛期だったりするようですよ!!
私自身も、昔のように北海道でフライで楽しみたいです。あの頃よりは、今の方が少しはマトモにフライを楽しめるような気がします・・・ ^^;;
スケールが違いますね。
Green Cherokeeさん
こんばんは。
北海道編。堪能させていただきました。
私も若い頃北海道に毎年いきましたが、二度ほど釧路湿原を観光したことがありました。たしか展望台があるところ。丹頂鶴がいたと記憶していますが。。(苦笑)
渓流ではオショロコマがイレ食い。しかしイトウのつりはしたことがありません。
いずれにしても外国を思わせるスケールのおおきな釣りですね。一度体験してみたいとおもいました。
 前半、後半記事しっかり読ませていただきました。

 ブログの記事を越えたようですね。
 釣り雑誌の記事としても十分に通用する内容になっていますから、凄いいことを なーと驚いています。
 セカンドジョブに釣りライターなんて肩書きが付くんじゃないですか。
 塘路からゆるゆると流れる釧路川をボートで・・・・・

 こんなことを書かれたら。

 古い小畔川通信では ここをトロッコ電車で通過して釣りたいと涎を流していました。

 仕方がなく釧路港でルアーを投げたがウントモスントモと言った体験で終わっています。

 悔し紛れにサンマ焼き棒寿しを食らった思い出が。

 やはり本格的な釣りの感動は深いですね。

 伝わります。
ジョニーさん、こんばんは。先日のTNKでは、ありがとうございました!!
湿原の中の展望台って、岩保木山でしょうか・・・? 丹頂は増えているようですよ。
オショロコマ、一度は釣ってみたい魚です。しかも、入れ食いなんて羨ましいです!!
道東の清らかな渓流で、大らかな気分で、まったりと竿を振ってみたいですよね!!
jetpapaさん、こんばんは。
その電車はノロッコ電車でしょうか? ちょうど釧路川の真横に沿って走る場所があるんですよね。ちなみに、あのあたりもイトウやアメマスのポイントです。
まだまだ稚拙な記事なんですが、とても励みになるメッセージを頂け凄く嬉しいです。本当にありがとうございます!!
私自身が感じた嬉しさや感動を、わざわざ読んで頂ける方々に少しでも伝わるようになれば良いなぁ・・・と思っています!!
普通のディーゼル列車でしたが、窓が広く観光用になっていました。

 景色はほとんど見ていません。
 流れの強さ、あそこかな、ここ??
 !!!
 そんな気分でした。


 湿地の中はバスでグルグル回りました。

 御存じの通り開発が進み真ん中に長大な仕切り堤防のようなもの、湿原の端から土盛りが始まり、農地、産廃処理地が作られています。
 上空からしか全般は見ていませんが40年で大分手が入り狭くなったように感じます。
 湿原はいずれ乾燥しますから少しでも長くと思っています。
 ただし、一生の長さ以上の気の遠くなるような時間ですけどね。
jetpapaさん、こんにちは。
古い小畔川通信の記事を拝読させて頂きました。景色を見ず渓相ばかり見入る・・・わかります、わかります!!
やはり、いろいろと手が入っているのでしょうね・・・。湿原の中を通る新しい道路も整備され便利になったようですが、道路沿いにはたくさんゴミも落ちていました・・・
けど、とにかく雄大な大自然でした。少しでも長く・・・本当にそうですね!!
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プロフィール

Green Cherokee

Author:Green Cherokee
東京都武蔵野市在住。S40年7月生まれ。
元より雑魚(Zacco)が大好きでちょくちょくミャク釣りを楽しんでいましたが、ひょんなことからFly Fishingに転向。安近短の里川で2011年夏よりZacco Fly Fishingをスタート。
釣りだけでなく野草やキノコも大好き。身近な里川の四季の変化を愉しみつつ、水面や地面に眼を走らせています。
愛車は、2000年式の緑色のJeep Cherokee。極めて非経済的な車で、あちこちガタが来ていますがそれでも偏愛しており、他に魅力的な車が見つからず困っています・・・

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