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CTS川で出会った青年

10月16日(木)。北海道は千歳市で目覚めた朝。



午前便で神戸に移動する必要があったが、せっかくなので少々早起きしてCTS川の状況を偵察。すっかり色づいてしまった銀杏の樹。気温は7~8℃だろう・・・、朝のきりっと冷えた空気が心地良い。
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前回も訪れたポイント。ホテルから歩いてわずか5分。
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ホテルを9時出発の空港送迎バスに乗る必要があったので、とにかく時間が限られている・・・。ササっとオイカワ用のドライを結びキャスト開始。すぐに小さな反応があり、数回繰り返したところようやくフッキング。さてさて、ウグイか? ブラウンか・・・?

結果は、小型のブラウン。先日のGran LussoさんのHome Riverのオイカワの平均サイズよりも小さいが、さすがにヒキだけは良型オイカワに匹敵する。
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綺麗な脂鰭。本来はキープすべきだが、まだ二泊残っている出張が故に、やむなくリリース。
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ここで念のため水温チェック。意外に温かかったが、手を浸けると極めて冷たかった。
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少し下流には餌釣りの青年。私の釣行準備中に遠目からこちらを見ていたので、軽く会釈で挨拶していた。その彼が、魚が釣れたことを感じたのか竿を片手に走ってこちらにやってきた。

『こんにちは、釣れましたか?』、とこちらから挨拶したところ、堰を切ったように喋りだした。出会いがしらの雰囲気で気付いたのだが自閉症と思われる青年だった。

『ここに良く釣りに来るの?』、と質問を投げかけてみたところ、尾ひれはひれが付いた回答が止まらない。聞いてもいないのに、『ここにはヤマメでしょ、イワナにアメマス、ニジマス、ブラウントラウト、ブルックトラウト、ジャガートラウト・・・鯉、ウグイ、ドジョウ・・・そして、チョウザメも!!』。この河川に生息している全魚種を語ってくれた。

これがアスペルガー症候群の典型的特徴。私は医者ではないが、特定の分野に一般の人間では考えられないくらいの驚異的に優れた記憶力を発揮する、ただ、会話は一方的となってしまう・・・、こんな知識を経験上、たまたま有している。

『釣りはミミズに限るよ、土掘って採ったんだ』、と言って、そのミミズで釣った20cm強のブラウンを見せてくれた。『スーパーのレジ袋に氷入れておくに限る、これが良いんだぁ!、俺はブラウンの味が好きだな! 天ぷらか塩焼きに限るよ!』・・・、などとニコニコしながら止まることなく話しかけてくる。

この時点で私に残された時間はわずか20分。彼の会話に時折合いの手を入れながら、竿を振り続けた。一度、腹を見せて反応した魚が居た。すかさず、『今のはヤマメだよ!』、と彼が言う。私としては、このポイントはウグイでしょ・・・、と思いながらも、その時は、うんうんと頷いていた。

ようやく彼の前でフッキングに成功。小さなウグイにしては少しだけヒキが強い。手元に寄せる前に、彼が、『ヤマメだぁ!』、と叫んだ。そして、手元に寄せてみたら・・・
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あれまぁ・・・、本当にヤマメだった。手のひらに優しく載せて記念撮影。

青年:ヤマメの天ぷらは美味いからみんな持って帰ってしまうんだ。おじさん、魚逃がすのかぃ?
GC:もちろん逃がすよ。大きくなって帰って来て欲しいからね。
青年:おじさん、ヤマメ釣れて良かったなぁ! 充実したっしょ!?

満面の笑みで、『充実したっしょ!?』、と北海道弁で語りかけられてちょっと照れ笑いだったが、確かに充実してしまった・・・。青年の御名答に拍手。

相変わらずの一方的な会話の中の一部分なのだが、青年の口から発せられたメッセージ。

『俺は小学生の頃からここで釣りをやっているんだ。その頃はヤマメがたくさん居たっけなぁ。けれども悪い奴らがブラウンを放しちゃったんだよ、したっけヤマメが減っちゃったさぁ・・・』

竿を振っている最中だったが、『本当にそうだよね・・・おじさんもそう思うよ』、と胸の中で答えた。

『じゃ、そろそろ帰らなきゃ。たくさん釣ってね!』、と別れを告げてCTS川を後にした。急に別れを告げられてちょっと困惑したような表情を示した青年だったが、すぐに自転車に戻り、大声で歌を歌いながら竿を片手に自転車を押しつつ上流側に移動して行った。
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すぐ脇の公園のカエデ。燃えるような赤に紅葉していた。
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‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

この二日後、再び、CTS川を訪れることになる・・・。この時点ではそんなことは露ほども思っていなかったのだが・・・

(次回の釣行記に続く)






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Comment
GreenCherokeeさんこんばんは

釣りをしていると色々出会いが有り、お話が出来ますね。
彼も、きっと充実したっしょ。
何か始まりそうなプロローグですね。
こんばんは。
北の川にはなんだか物語がにあいますね。
釣を通した心のふれあい、じんわりとくるものがあります。
このあと、どんな展開がまっているのでしょう。
たぶん彼は,CTS川のその周辺で経験したことを全部記憶しているのでしょう。
アスペルガーの人たちはうまく人間関係をつくれません。だからこその障害者といわれてしまうのですが・・・・
もし,彼にフライフィッシングを教えることができたら,彼はきっとすばらしい仕事ができるのではないかと思うんですが・・・・





なにか小説を読んでいるようで
普段と違った空気感に浸れますね。
後半も楽しみにしてます。
続編待ってます!
Green Cherokeeさん、こんばんは。
これは引き込まれるお話ですね。
二日後の出来事が楽しみです。
魚釣りに特別な興味を示すアスベルガーの青年との交流は、GCさんの感性というか人間性が導いたからだと思います。このまんま小説になるような展開でした。
こんにちは(^_^)v。
おもしろい!
リアルフォレストガンプですね。
ナシオさん、こんばんは。
確かにそこに釣人がいる以上、色々な出会いや語らいがありますよね。それも釣りの一つの愉しみっしょ!! (^^ゞ
プロローグが必要な程の大げさな展開には全くならないのですが・・・、ただ、たくさんの小さなヤマメに遊んでもらいました。
wind knotさん、こんばんは。
♪北の街では~もう~♪・・・思わず歌ってしまいました。 (^^ゞ
この後の展開は大したことないです。最初にお断り申し上げます・・・ <m(__)m>
けど、季節外れのヤマメと遊んで貰えましたよ♪
リョウさん、こんばんは。
そうですね。きっとCTS川沿いの全てのポイントや、季節ごとの過去の経験を記憶していて、いつも自転車でお気に入りのポイントに移動しては、ミミズを流しているんだと思います。
時間に余裕があれば、彼にもフライロッドを振ってみて欲しかったのですが・・・ (^^ゞ
Gran Lussoさん、こんばんは。
普段と違った空気感・・・確かに、場所も光景も雰囲気も、そして物理的な温度も違ってました・・・ (^^ゞ
ちょっと一方通行的なやり取りではありましたが、これも釣りという世界を通じての面白いコミュニケーションですよね。
numassan(さん)、こんばんは。
確かにちょっと小説になってしまいそうな貴重な経験ができて、私も面白かったです。このポイントに通っていれば、いつかこの青年とは確実に出会えると思っています。ちょっと遠すぎるポイントではありますが・・・ (^^ゞ
farwaterさん、こんばんは。
フォレストガンプ/一期一会・・・懐かしいですね。私も何回か観ました。この日はまさに、一期一会を地のまま行ってしまったような貴重な出来事になりました。
機会あらば、我が望郷のCTS川をもっと時間をかけて歩いてみたいです・・・
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プロフィール

Green Cherokee

Author:Green Cherokee
東京都武蔵野市在住。S40年7月生まれ。
元より雑魚(Zacco)が大好きでちょくちょくミャク釣りを楽しんでいましたが、ひょんなことからFly Fishingに転向。安近短の里川で2011年夏よりZacco Fly Fishingをスタート。
釣りだけでなく野草やキノコも大好き。身近な里川の四季の変化を愉しみつつ、水面や地面に眼を走らせています。
愛車は、2000年式の緑色のJeep Cherokee。極めて非経済的な車で、あちこちガタが来ていますがそれでも偏愛しており、他に魅力的な車が見つからず困っています・・・

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